百聞は一見にしかず

2007.12.28.UP.

秋の田の 仮庵の庵の 苫を荒み わが衣手は 露にぬれつつ (天智天皇)
あきのたの かりほのいほの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ

訳:秋の田のそばにある仮小屋の、苫の編み目が荒いので、その中で番をしている私の袖は、夜露にしっとりぬれ続けている事だよ。

この和歌は、ホンマは天智天皇はんが詠んだ和歌やおまへんだして、農家のお人はんが詠みはったんだす。
ほんだら、ナンで天智天皇はんの和歌ちゅう事になっとんか?!
それは、どっかの御仁がデマを飛ばしはったんだっしゃろ〜な〜。

そ〜だっしゃろ〜?!
天皇はんが農民の仮小屋ん中に居たはるわけおまへんがな〜。

エッ?
「天智天皇は庶民的な天皇やった。」ってだっか?!

ま〜、そ〜ともとれまっけど、ノーマルやおまへん推理でんな〜。

そやけど、平安時代の天智天皇のネームバリューは凄いモンだして、当時の天皇はんらはみな、天智天皇の血を引いてはり申したんや。
そやさかい、平安朝の貴族はん方は、みな天智天皇はんを尊敬したはったそ〜だっせ。
そ〜ゆ〜事で、どなたかが、この和歌を天智天皇はんの和歌やちゅうて言わはったら、それに不信感がおましてもナ〜ンも言わはらんかったんだっしゃろ〜な〜。

ところで、わて…。
最近、おとろし〜(怖い)事を見聞しましてん。

ある老人の女子(おなご)はんがいたはって、その女子(おなご)はん、5年前から高血圧だして、それに伴う諸症状で近くのお医者はんにかかったはった。
そこは、近隣の老人はん方に評判がよろしおまして、繁盛しと〜お医者はんでんねん。
何でか?! ちゅうと、ホンマ親切でんねん。
そ〜ゆ〜事で、単なる内科でんねんけど、老人はんらは社交場のよ〜に、そこへ行かはるんだす。

時折、こないな会話も聞かれるそ〜でんねん。

「最近、木村さんが来んね〜。」
「そ〜ね〜。病気になったんと違う?」

ほんで、この女子(おなご)はん、数日前に高血圧からの諸症状が激しゅ〜ならはった。
そのお医者はんは親切だして、順番を繰り上げて、その女子(おなご)はんを診断しはったそ〜な。
そやけど、お決まりの薬での治療だした。
家に帰らはっても全然、よ〜ならはらへん。

そ〜ゆ〜事で、他のお医者はんとこへ行かはった。
ほんだら、頭の神経が要因で、そないな症状が出と〜ちゅう事がわからはって入院に。

みなはん、もし5年前に、そこのお医者はんとこへ行ったはったら、5年前に症状の根源がわかったんだっせ!!
そやのに、「親切なだけ」のお客はん捌きのうまいお医者はんとこへ行ったはったから、それがわからんと常備薬のよ〜な薬を飲まされ続け、症状の根源の治療をされへんかったんだす!!

みなはん、これって、ホンマにおとろし〜事だっせ!!

そら、お医者はんは「親切」なんがよろしい。
そやけど、最優先される条件は「テク」と違ゃいまっか?!

占い師もそ〜だっせ。
「〜の母」とか「〜の父」とかアダ名がついて、親切やったり親しみやすいだけが売りモンの占い師っていたはりまっしゃろ〜。
そら、そないな占い師、お客はん捌きがうまおまっさかい、癒してくれはりまっしゃろ〜。
そやけど、あんさん…?!
あんさんは「未来予知」してもらいに占い師はんとこへ行かはるんと違ゃいまっか?!

デタラメな「未来予知」されたり、教育者や宗教家が言うよ〜なお説教で煙に巻かれて帰って来たはりまへんか?!

「開運」ちゅうんと「癒し」とは違ゃいまっせ!
癒されて、気持ちよ〜ならはっても現状は変わりまへんで〜!!

開運ちゅうんは、正確な「未来予知」のデータを提示してもろ〜て、それを客観的に受け入れて、「ほんだら、こないしたらエエんと違ゃいまっか?!」ちゅう方針を打ち出して実践遂行する事でんがな〜。

占い師の仕事は…。
お客はんの、お悩みに対して、その根源と今後の展開のデータを正確に提示する。
そのデータを客観的に受け入れてもらう指導をする。
その上で、今後の打開に向けての合理的な対処の仕方を指導する。
これらに尽きまんねん。

癒されて気持ちよ〜になってるだけだしたら、その場はよろしおまっけど、ナ〜ンも現状は変わってまへんねんで〜!
そら、親切で親しみやすい、お客はん捌きのうまい占い師ちゅう事は大切だす。
そやけど、それは「腕が確かなテク」があってのこっちゃ。

先ほどのお医者はんと同んなじで、占い師も最優先される条件は「テク」と違ゃいまっか?!
せっかくの鑑定料をドブに捨てる事にならんよ〜に自戒しておくんなはれや〜。

上林岳承

総合開運研究学会
上林岳承

運命鑑定/プロ養成占い教室
daikando@sd5.so-net.ne.jp


プロの四柱推命『関西占い物語』

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