狂狷

2008.4.6.UP.

わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣舟 (参議篁)
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね

訳:(遠い隠岐に流される私は)大海原に点在する多くの島々をめざして漕ぎ出して行ったと、都にいる人に告げておくれ。漁師の釣舟よ。

承和5年(838)に小野篁(おののたかむら)はんは遣唐副使になり申した。
そやけど、出発にあたって乗る船に故障が見つかり、勝手に小野篁はんの持ち船に交換させられたんだす。

小野篁はんは朝廷に抗議しはったけど、あきまへんだした。
さらに怒らはった小野篁はんは乗船を拒否し、遣唐使を風刺する漢詩を作ってしまいはったんだす。
あ〜あ、やってしまいはった…。
小野篁はんはその罪で隠岐に流刑にならはった。
当時の刑では流刑が極刑だした。
この和歌は、その時に詠まはったんだす。

そら誰だって怒りまっせ〜。
そら激しゅ〜に怒る人もいたはりま。
激しゅ〜に怒る人は、よ〜、怒りっぽいちゅうて処理されまっけど、誰もが怒る「スジが通らん事」に激しゅ〜に怒ったはるんが現実だす。
誰だって怒る事に怒ったはんのに、怒りっぽい人は「こいつやから怒ったんや!」ちゅうて誤解されるんがツライとこでんな〜。

世に「狂狷(きょうけん)」ちゅう言葉がおます。
みなはん、「狂」ちゅう漢字にマイナスのイメージを持ったはりまへんか?!
「狂者は進みて取る」ちゅうて、「狂」には進取の意味がおますんや。
「狂」がおまへんと時代は前進しまへんねん。

「狷」は「為さざる所あるなり」ちゅうて…。
「狷者」は「これだけは絶対にせんぞ!!」…、エエ意味での潔癖さを持った人を意味しま。

小野篁はんは武術にも秀でたはり、スジの通らん事に対して…、妥協しはらんし損得で動かん人物だしたんや。
そやけど、世が常に正しいとは限りまへんやん。
そ〜ゆ〜場合は、小野篁はんみたいな正論者が罪人になりまんねん。
おもろない事でんな〜。

「邪悪」を許さん精神が「狂」かもしれまへん。

そやけど「狂」に対して、たいてい、ナ〜ンも知らん「訳知り顔の愚かモン」が批判しはりまんな〜。
恋愛にしてもそ〜だす。
「男は○○やから、女は○○やから」ちゅうて固定観念で論じはりま。
年増の女子(おなご)はんに、こないなのが多おまんな〜。
もし、エエ恋愛をした事がおますお人はんが、そないな恋愛論を見聞きし申したら…。
「こいつ、まともな恋愛してへん。」ちゅうて思われるんだっしゃろ〜な〜。
ヘヘヘ、恋愛は理屈の支配する世界の出来事やおまへんちゅうこっちゃ。
まともな恋愛をしたはれへんさかい、理屈で恋愛を処理でけまんねん。
かわいそ〜で滑稽な御仁はんでんな〜。

そやけど、そないな恋愛を理屈で処理した恋愛論…、ホ〜ンマ体裁がよろしおまして一般受けしまんな〜。
そんだけ、エエ恋愛をした事がおまへん輩が多いちゅう事でんな〜。
遊びの軽い恋愛と区別がでけてへんのんだすな〜。

ところ〜で…。
占い師も、体裁を考えた鑑定をしとったら、せっかくのテクの目が曇ってしまいま。

2年前の事だす。
傷害で起訴されたお人はんが、判決で牢屋に入らんとあかへんかもしれんさかい、悩んだはりましてん。
そやけど、わてが鑑定したら「牢屋に入らんでもエエ」ちゅうて出てまんがな〜。
そやさかい、わて、「大丈夫だっせ。実刑がついても執行猶予がつきまっせ〜。」ちゅうて答えたったんだす。

ほんだら…。
「初犯やおまへんねん。」ちゅうて言わはるやおまへんか?!
わて、一瞬「エエ〜〜〜〜〜?!」ちゅうて思いましてんけど、四柱推命で出たと〜りを主張しましてん。

ほんだら、2日後の判決で…。
このお人はんに、執行猶予がついた判決が出ましてん!!

占い師は、お客はんの言わはる言葉に左右されて「現実面からの体裁を考えた鑑定」をしたら失敗のモトでんねん。
占い師は、どないな事がおましても、四柱推命の命式のみを手がかりに鑑定をせんとあきまへんのんだす。

この鑑定は、占い師20年生(H20年現在)のわてだっけど、ちょっぴりスリルのおます鑑定だしたな〜。

ま〜、こないな事がおますから、この稼業、楽しゅ〜て、やめれまへんねん。
その依頼者はん、わてが執行猶予の判決を出したよ〜に、わてに感謝してくれはりまんねん。
ヘヘヘ、判決を出さはったんは、どこの馬の骨かわからん裁判官でんのにな〜。

ほんでだっせ。
この事をどっかで聞かはった弁護士はんが、弁護したはる被告の事を聞きに、わての事務所に昨年、来られ申した。
その被告の御仁は前科2犯でんねん。

四柱推命には「サヨナラの星」ちゅうのがおまして、これが動く時、遠くへ行ってしまいはるんだす。
この「遠く」ちゅうんは、文字ど〜りの遠方だけやおまへんで、アノ世や牢屋の中も指しまんねん。

そやけど、この御仁には、その「サヨナラの星」が出てまへんだしたんで、わては「執行猶予になりまっせ。」ちゅうて答えましてん。
今回は1回通った道筋だしたんで、前回のよ〜なスリルと緊張感はおまへんだした。
ほんだら、きっちり執行猶予にならはった。

ま〜、占いもナンもかも、体裁や固定観念で論じたらあきまへんちゅうこっちゃ。
自分の経験体験、実績をモトにせんとあきまへんで〜〜〜、ちゅうこっちゃ。

上林岳承

総合開運研究学会
上林岳承

運命鑑定/プロ養成占い教室
daikando@sd5.so-net.ne.jp


プロの四柱推命『関西占い物語』

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