師は弟子を試す

2008.5.18.UP.

たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば いま帰り来む (中納言行平)
たちわかれ いなばのやまの みねにおふる まつとしきかば いまかへりこむ

訳:あなた方と別れて因幡の国に去ったとしても、その因幡の山の峰に生えている松ではありませんが、あなた方が私を待っていて下さると聞いたならば、私はすぐにでも帰って来ようと思います。

「まつ」は、「松」との…。
ご存知! 掛詞だす!

これは、作者の在原行平(ありわらのゆきひら)はんが因幡(鳥取県)の国司(地方長官)で赴任しはる時の和歌でんねん。
斉衡(さいこう)2年(855)の事だす。
国司の任期は4〜5年だっから、しばらく都に帰る事がでけへんのんで、みなが在原行平はんのために送別の宴を開いてくれはったんだす。
その時、在原行平はんが、この和歌で挨拶をしはったんやちゅうこっちゃ。

送別の宴…。
宴…。
う・た・げ…。
宴ちゅうたら…。

今年もこの時期、某女子大の「占い愛好会」や「四柱推命同好会」の顧問依頼が来ましてん。
今年は宴を設けて、わてを勧誘して来よりますんや。
いや〜、ちょっとしたアルサロ風だしたで〜。(「アルサロ」の意味がわからん御仁はメールして来ておくんなはれ。)
向こうはんは、てっきり男のわてをタラし込んだつもりやったと思いま。
そやけど、わては顧問依頼を断り申した。
わては、アマチュアの占い指導はしまへんねん。

わて、お蔭はんで女優はんの鑑定依頼もおまっさかい、美人はんには慣れとって…。
そやさかい美人ちゅうだけでは、ヘヘヘ、わての心は動きまへんねん。

エッ?
「ほんだら岳承はんは、どないな女子(おなご)はんに心を動かすんや?」ってだっか?

そ〜でんな〜。
わては、さりげの〜気遣こ〜てくれはる女子(おなご)はんに弱わ〜おますな〜。

そ〜ゆ〜事で…。
いや、好みの女子(おなご)はんがおらんかったからやの〜て…。
四柱推命のテクの流出を防ぐため、今年も顧問を鄭重にお断りし申した。

ま〜、プロフェッショナルちゅうんは…。
それほどテクの流出には神経を遣うモンでんねん。
これは、この占いの世界だけやおまへん。
一芸の世界の常と違ゃいまっか?!

そやさかい、師弟の間でも、伝授してエエ弟子か否か?!
師は弟子を試す事がおます。
それも何度もね。
それに合格したモンにしか、四柱推命の深い事は教えまへんねん。
その期間、約10年。
「石の上にも3年」ちゅう言葉がおまっけど…。
この世界は「石の上にも10年」やちゅうこっちゃ。

天才でおまへん限り、その10年が占い師生命を決める事になりま。
プロ占い師で行くんだしたら、ヘヘヘ、大空を飛ばんとあきまへんさかいな〜。
制空権を得るための10年間やちゅうこっちゃ。

陽干旺や陰干冠のエアーポケットにはまり込んで、山風蠱(さんぷうこ)になっても〜た、或る師匠の弟子の占い師はんは、ご苦労はんだしたちゅうて言うしかおまへんな〜。
お師匠はんに前途を断たれはるよ〜な事をしはって…。
ホンマ、ご苦労はんだした。

上林岳承

総合開運研究学会
上林岳承

運命鑑定/プロ養成占い教室
daikando@sd5.so-net.ne.jp


プロの四柱推命『関西占い物語』

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