スーパースター

2008.6.23.UP.

今来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな (素性法師)
いまこむと いひしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな

訳:あなたが「今すぐ行こう。」と言ってきたばかりなのに、私はこの9月の秋の夜長を待ち続け、有明の月が出てしまった事です。

「長月」ちゅうのは、陰暦の9月。
陰暦だっから晩秋だすんで、秋分を越えてまっから夜が長ご〜なってまんねん。

「有明の月」は夜更けに出て、夜が明け申しても、まだ残っと〜月だして、陰暦で20日過ぎに出ま。
この語句は百人一首に、よ〜使われる語句だす。
それだけ、しみじみとした余韻を持った「月」でんねんな〜。

ほんで、この和歌は「歌合(うたあわせ)」かなんかで、殿方はんが女子(おなご)はんの立場で詠まはった歌だす。
だって、当時は「通い婚」だすんで、殿方はんが女子(おなご)はんを待つ事はおまへんがな〜。

そこで「有明の月」…。
そないな月が出る頃は、普通、殿方はんが帰って行く時刻…。
この歌の女子(おなご)はんとこには、お目当ての殿方はんは来んかったちゅうこっちゃ。

エッ?
『今来むと 言ひしばかりに』…。この男、『今すぐ行く。』ちゅうて言〜といて行かんかった。」ってだっか?

そ〜でんな〜。
エエかげんな殿方はんでんな〜。
そないなエエかげんな殿方はんに、一晩、待ちくたびれとった女子(おなご)はん…。
わて、そないな男を許せまへんな〜!

エッ?
「春に始まった恋で、男を待ち続けて、とうとう秋になったちゅう解釈もある。」ってだっか?

9月まで、女子(おなご)はんは待ち続け…。
そんなある日、「有明の月」が出た時に、「フッ。」っとため息をつかはった…。
そないにも解釈でけまんな〜。

有明の月…。
夜明けの月…。
夜明け…。

あっ、そ〜そ〜、このブログの賢明なる愛読者はんで…。
「夜明けのコーヒーを2人で飲も〜。」ちゅうて、女子(おなご)はんを口説かはる殿方はんもいたはるんと違ゃいまっか?!

エッ?
「岳承はん、その文句、も〜古いで〜。」ってだっか?!

ヘヘヘ、言い出しっぺのわても…。
2人で夜明けを迎え申しても…。
1回も、夜明けのコーヒーを飲んだ事なんかおまへんな〜。

エッ?
「ほんだら、何をいっしょに飲んだんや?」ってだっか?!

飲むも飲まんも…。
ただ…、「夜よ…、明けてくれるな。時間よ止まれ!!」ちゅう気持ちのみでんがな〜。
わての心ん中は「夜明けのスキャット」…。
この旋律しか流れてまへん。
コーヒーを飲んで、現実に戻りと〜おまへんがな〜。
そ〜ゆ〜モンだっしゃろ〜??

ところ〜で…。
わての知り合いの殿方はんが彼女はんに、こないな事を言われたんだす。

「好きな人ができたら言ってね。私は○さんが帰って来るのを待ってるから。○さんが好きな人を作って恋愛しても…。必ず、私んとこに帰って来るから…。○さんには、私しかいないのよ!!」

この殿方はん、わてにノロケとんやおまへん。
驚いたはりまんねん。
彼女はんの自惚れやおまへん自信に!!

これは、この殿方はんが恋人がいたはるのに、も〜1人、恋人を作らはって、いろいろおまして…。
その時に、ホンマにその殿方はんを愛してくれと〜女子(おなご)はんに言われはった口上でんねん。

キーキー、キーキー怒る事なくサラリと言わはった、この女子(おなご)はんに…。
「スーパー・スター」を感じまへんか?!

わて、このカップルを、よ〜知ってまっから…。
この口上を「女の自惚れ」ちゅうて思えまへんねん。
この殿方はんも、「女の自惚れやおまへん自信」やちゅうて認めたはりまんねん。

巷の恋愛とは根本的に次元が違ゃう!
ホンマ、次元の違ゃう世界のハナシや!!
ちゅうて思い申した。

ほんで…。
このハナシにはオチがおまして…。
殿方はんの今回の浮気が終わったアト…。

殿方「ナンで、おまえがそんな事を言えるんか知ってるか?」
彼女「○さんの事を愛してるから。」
殿方「俺の男の魅力が、そないさせてるんやで〜。」
彼女「フフフ…。そ〜ね…。」

やさしく微笑んで…。
「そ〜ね…。」ちゅうて答えたはる…。
彼女はんの涼しい顔が…。
ヘヘヘ、浮かびまんな〜。
こないなジョーク(?)が咄嗟に出るんも…。
ヘヘヘ、イイんじゃ〜ないですか?!
わてまで、顔がほころんでしまいまんな〜。

上林岳承

総合開運研究学会
上林岳承

運命鑑定/プロ養成占い教室
daikando@sd5.so-net.ne.jp


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