無理な恋

2008.9.16.UP.

みかの原 わきて流るる 泉川 いつ見きとてか 恋しかるらむ (中納言兼輔)
みかのはら わきてながるる いづみがは いつみきとてか こひしかるらむ

訳:みかの原を分けて流れる、また湧いて流れるという泉川の、その「いつみ」たという言葉ではないが、まだ逢った事のないあなたが、なぜこのように恋しいのだろうか。

「みかの原」は京都府相楽郡におます地名。
「泉川」は現在の木津川。
「わきて」は「分きて」と「湧きて」の掛詞。
水がこんこんと「湧く」よ〜な思慕と、「分く」…、すなわち二人を分ける壁をイメージしておくんなはれ。
「いつ見きとてか」「見る」は、単に「見る」そのままの意味と「男女の契り」の意味。

エッ?
「『見る』が『男女の契り』の意味かいな??」ってだっか?

当時は、成人した男女が顔を合わす事は滅多におまへんかったんだすな〜。
そやさかい、多くの場合、噂なんかで想像をかき立てて恋をしとったちゅうこっちゃ。
そ〜ゆ〜事で、この和歌の「まだ見ぬ恋人」への恋慕はアブノーマルやおまへんのんだすな〜。

そやけど…。
想像が先行し過ぎた恋愛や、「恋愛をした〜い!」ちゅうて「恋愛が目的」になっても〜た恋愛は要注意だす。

わての知人の殿方はん…。
長年、つき合〜たはった彼女はんにフラれはって…。
わてに、友人から紹介してもろ〜たちゅうて、数名の女子(おなご)はんの生年月日を持って来はった。
まだ、どの女子(おなご)はんとも会〜たはりまへんし、写真も見た事もおまへんそ〜でんねん。

そ〜ゆ〜事でわては、わての四柱推命をフル回転させて、元カノはんよりビジュアル的にも中身も勝つ女子(おなご)はんを選んで進ぜ申した。
四柱推命では、こないな事もわかりまんねんで〜。

ほんで、その殿方はん、わての選んだ女子(おなご)はんに実際に会わはって…。
ホンマ、エエ女子(おなご)はんやったそ〜でんねん。
ほんで、早速、口説くは口説くは…!!
毎日のデート…!!
わて、してやったり!! だした。

そやけど、いくら美人やちゅうても…。
恋って、そないなモンやおまへんやん。
新しい彼女はんの一挙一動…、元カノはんと比較して…。

「元カノの方がエエ!!」

デートしとっても…。
元カノはんを思い出す始末。
普通やったら、新しい恋の始まりだっからハッピーなはずだっけど、この殿方はんはさらに以前の恋の深みにはまって行くのみだしてん。
重症でんな〜。

わてに、その殿方はん…。
「先生に選んでもろ〜た女性。うまく彼女になってもらいましたけど、自分の中で元カノと比較してばっかりで…。もし元カノよりも先にお会いしとったら、間違いなくこの人に決めたと思います。そやけど…。」ちゅうんだす。

そ〜ゆ〜事で…。
現在、その女子(おなご)はんに悪おまっさかい、その女子(おなご)はんとはお話されて、鄭重にお別れしはったそ〜だす。
忘れられん元カノはんを忘れるために、この殿方はんが画策しはった恋。
「俺を救〜てくれる女は誰なんや?!」ちゅう気持ち。

わて、よ〜わかりまっけど…。
他力本願の方策では救われんモンでんな〜。

そやさかい、今後、この殿方はんが…。
「アレ?? やば〜い! 俺、この人を好きになっても〜たで〜!!」ちゅう状態で、新しい恋をしはる事を望みまんな〜。
その時まで…。
そないな恋を期待するんでもなく、無理にしよ〜とも思わず…。
仕事をしまくって、しまくって…。
元カノはんを忘れはるこっちゃ。

この殿方はん、親戚の稼業を継ぐ運命だっから…。
女子(おなご)はんを断って、仕事の方に精を出してもらわんと、ヘヘヘ、あきまへんがな〜。

上林岳承

総合開運研究学会
上林岳承

運命鑑定/プロ養成占い教室
daikando@sd5.so-net.ne.jp


プロの四柱推命『関西占い物語』

inserted by FC2 system