二面性

2008.10.8.UP.

朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪 (坂上是則)
あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき

訳:ほのぼのと夜が明ける頃、有明の月の光がさしているのかと思うほどに、白々とこの吉野の里に白雪が降り積もっている事だよ。

「吉野の里」は、奈良県吉野郡吉野町一帯の地名だして、雪の名所でんねん。
延喜(えんぎ)8年(908)、作者の坂上是則はんは役人で大和に下りはり申した。
その時に、この和歌を作らはったんかもしれまへんな〜。

早朝、うっすら差した光を…。
「あっ、有明の月??」
そない思〜て見てみはったら…。
外は一面の雪で、雪明かりがうっすらと差し込んどった…。

ヘヘヘ、きれいな歌でんな〜!!

しかし、この和歌の雪…。
深雪?!
薄雪?!

また、李白の「静夜思(せいやし)」ちゅう詩がおまして…。

牀前(しょうぜん)月光を看る
疑ふらくは是れ地上の霜かと
(こうべ)を挙げては山月を望み
頭を低たれては故郷を思う

これは、月光を霜に見立ててま。
この技法を、坂上是則はんがこの和歌に使いはったんか?! ちゅう説…。

一首の和歌を取って、深雪?! それとも薄雪?!
はたまた、素直に詠んだ和歌?! それとも李白の「静夜思(せいやし)」に技法を真似た?!

巷では、そない言われてまっけど、どっちゃでもイイんじゃ〜ないですか?!
この歌…。
きれいなんだっから!!
正官のオッちゃんみたいに、ど〜でもエエ事に関して四角四面にならんこっちゃ。

ところ〜で…。
世の中、この和歌みたいに1つの事や事柄に2つの意味を見いだせる事がおます。
この和歌のよ〜に、どっちゃでもエエ場合もおますが、事、事柄により申しては、どっちゃでもエエちゅうわけには行かん場合もおます。

ある親子3人の家庭のハナシだす。
子供はんちゅうても、大卒で社会人の娘はんでんねん。

「お父さんが『お風呂。』って言ってるわ。あなた、お風呂のフタを取って上げてよ。」
「ハ〜イ。」

娘はんは素直に風呂場に行かはって、風呂のフタを取らはって…。

「お父さん、お風呂のフタを取りましたよ! フン、お風呂のフタぐらい自分で取れば!」
「あのな〜。『お風呂のフタを取って上げる』という事は…。フタを取って湯加減を見て…、タオルを洗い桶の中に入れて…、石鹸が小さくなり過ぎていないかどうか点検して…、さらに洗濯物が干し忘れていないかどうか目を配り…、ついでに蜘蛛が垂れ下がっていないかまでを見る…。つまり、スタンバイ(準備完了)を目の隅できちっと確認する事なんだ。日本語は短い表現ほど内容が深い事があるんだよ。」

ほんだら、その娘はん慌てて風呂場へ!
そして、ザワザワと湯をかき回す音が聞こえて…。

「お父さん! 入るのちょっと待ってよ。下の方がまだお水だわ。」

ヘヘヘ、エエ娘はんでんな〜!!

ま〜、こないな事のよ〜に…。
物事は、ちょっと角度を変えて考え申すと、違ったモノちゅうか意味が見えて来るモンでんねん。
人の人生も、ちょっと角度を変えて現状を見はったら…、開運の光が差し込んで来るモンだす。

占い師ちゅうんは、そないな助言者でんねん。

そやけど…。
運命学的な正しい根拠を基に依頼者はんにお伝えせ〜なあきまへん。
根拠も無しに、体裁のエエ一般論や、宿命論で依頼者はんを指導したはりまへんか?!

エッ?
「ちゃんとやってる!」ってだっか?!

ほんだら、その根拠となる、あんさんの運命鑑定テクは確かだっか?!

このサイトを見たはる占い師はん。
そないな根本的なところをチェックしてみはる必要がおまへんか?!
最近のわてのお客はんの、他の占い師に対するボヤキ…。
それを聞くたんびに、わては、この業界の危機を感じまっせ!!

上林岳承

総合開運研究学会
上林岳承

運命鑑定/プロ養成占い教室
daikando@sd5.so-net.ne.jp


プロの四柱推命『関西占い物語』

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