ダシ巻き

2008.11.4.UP. 2010.11.24.更新.

人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける (紀貫之)
ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほひける

訳:人の心は移ろいやすいものだから、あなたの事は、さあ、どうだかお気持ちもわかりませんが、昔なじみのこの土地では、梅の花だけが、昔ながらの香りで咲き匂っていますね。

ここでの「人」は、この歌を贈られ受け取らはった人の事を指してま。
露骨になるんを避けて、「人間というものは」ちゅうてボカしたはるんだすな〜。

この和歌は、親しい人との間で取り交わしはった、軽妙な挨拶の歌だして…。
「古今和歌集」の詞書により申すと…。

紀貫之はんが久しぶりに、奈良の長谷寺に参詣しはった時のこと。
いつも泊まっとった家のご主人はんが出て来はって…。
「私の家は昔のまんま、何も変わっていません。なのに、あなたは…。」
この家のご主人はんは、紀貫之はんに「ずいぶん、お見かぎりですね。」ちゅうて言わはったんだすな〜。
そこで、紀貫之はんは、そばに咲いとった梅の木のひと枝を折り取って、この歌を挨拶代わりに送らはったそ〜だす。
粋でんな〜!!
親しい者同士に許された「売り言葉に買い言葉」の、ジョークの皮肉のやり取りだしたちゅうこっちゃ。

ところ〜で、この相手のお人はん、あんさん、紀貫之はんのどないな関係のお人はんやと思いはりまっか?!
わては、恋しい女子(おなご)はんやと思〜てまっせ。
男同士では、こないな粋なやり取りはしまへんさかいな〜。

紀貫之はんは、彼女はんに心変わりをなじられ申して…。
「さぁ〜、ど〜やろ〜ね〜?」ちゅうてまんねん。

ほんで、通い慣れたその人の部屋と、そのそばで咲いとった梅の花…。
人の心は変わるけど、あんたの部屋のそばで咲いと〜梅の花の香りは変わってへん!!
「君こそ、変わったんと違ゃいまっか?!」ちゅうて、やり返してまんねん。

わて、こないな愛する男女のやり取りが好きでんねん。
そないな事がでける女子(おなご)はんに、わては引き込まれてまうんだす。

そやけど、ここで…。
紀貫之はんは「この世で一番、信じたいモノ」の存在を…。
ジョークの中で…。
ヘヘヘ、ちらっと匂わせてはりまへんか?!
わては、梅の花の香りよりも、「この世で一番、信じたいモノ」の香りがこの歌から匂〜て来まっけど…。
あんさんには、この歌からどないな香りがしまっか?!

ところ〜で…。
わての後輩で、幼い頃から「ダシ巻き」が大好きで…。
大人になって、何年も何年も何年も経っても…。
その「ダシ巻き」から変われんと…。
大好きなままの男がいてまんねん。

その男が大昔、或る女子(おなご)はんと恋しはり申して…。
その恋の初期に、その女子(おなご)はんから…。

そういえば・・「○○さんが私の最後の男」って。
自然に、すぐに出てきた言葉だけど、そう思ったのは人生で初めてです。
「最後の」なんていう覚悟というか結論を、出せる男なんていなかった。
しかもまだ始まったばかりで・・

わーん。○○さんに出逢えてよかった!!

当時、その男にとって…。
このメールは…。
「この世で一番、信じたいモノ」だした。
しかし…。
その恋も10ヵ月後に破局になり申して…。

気がつくと泣きよって、どうしてだろうって思うのね。
どうしたもこうしたも どうしようもない心のうちだよ。
生まれて初めて全身全霊で愛した彼のこと・・そう簡単には忘れられんのが自然だよ。
春に始まった恋・・
今は辛くて辛くてたまらんやろうけど、一緒に歩いた道を歩けんやろうけど、無意識にこの春も次の春も期待しちゃうやろうけど・・
吹っ切れんままでもいいやん。
よくある歌の歌詞にあるような “あなたを忘れてしまうほどの恋が 胸を焦がす日“ なんか永遠に来んと思うやろうけど・・
それでも生きていかないかんのやし。
忘れようと思うと余計辛いし簡単に忘れられるわけないし。
ずーっと想い続けてたっていいやん。
綺麗な思い出になるよ。
お互い、愛し合ったまま・・・

こないな事を、その女子(おなご)はんがブログに…。

殿方のみなはん…。
失恋後…。
元カノを忘れるために…。
幾多の女子(おなご)はんに接してみて…。
その結論が、恋愛中にもろ〜た元カノのメール…、気持ち…。
これに戻ること…、おまへんか?!
失恋直後に元カノが書いたブログの文…、気持ち…。
これに戻ること…、おまへんか?!

そないな時…。
それが「この世で一番、信じたいモノ」になってまう。
こっちがそのセリフを信じて…。
そのつもりでおっても…。
そのセリフを吐いた当人はんが、愛のテクニックで言〜たんだしたら…。
それは?!
悲劇だっせ。

恋は…。
クレイジーで居続ける現象。
ドランクで居続ける現象。
決してシラフに戻れん現象。

もし、もしだっせ…。
この女子(おなご)はんのセリフが、どの歴代の男に発せられとったセリフでおましても…。
今、この時期になってもまだ…。
この男は、そのセリフを…。
「この世で一番、信じたいモノ」やちゅうて…。
その元カノを忘れるために、幾多の女子(おなご)はんを通過して来て尚、そない思〜とっとたらどないしまんねん?!

もし、そないだしたら…。
それを…。
「未練や!」ちゅうセリフで一笑(いっしょう)してまうには…。
あまりにも…、過ぎるんやおまへんか?
違ゃいまっか?!

恋人のセリフ…。
それは、相方に…。
ものすご〜影響力を持つ。
そやのに、そ〜ゆ〜セリフを…。
一時の気まぐれや錯覚で…、はたまた愛のテクニックで言われ申したら…。
たまったモンやおまへんで〜。

これは占い師にも言える事だして…。
霊感(こないなモンはこの世にはおまへん!)ちゅう思い込みや錯覚で、またタロットのよ〜な類いの偶然性で出た内容を、悩んではるお人はんに根拠のおまへん無責任なセリフでしゃべるんは…。
犯罪と違ゃいまっか?!
そない思いはりまへんか?!

上林岳承

総合開運研究学会
上林岳承

運命鑑定/プロ養成占い教室
daikando@sd5.so-net.ne.jp


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