一夫多妻

2009.8.9.UP.

嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る (右大将道綱母)
なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものかはしる

訳:くり返し嘆きながら、独り寝をする夜の明けるまでの間が、どんなに長いものか?! あなたはご存知ないでしょう。

「嘆きつつ」は「(夫の来ない事を)くり返し嘆きながら」。
「明るく間は」は「夜が明けるまでの間は」。
「いかに久しき」は「どんなに長い」。

右大将道綱母はんは、みなはんご存知!
「蜻蛉日記」の作者はん!
この女子(おなご)はんは「本朝三美人」の1人で…。
飛びっきりの美貌と歌才で知られてまっけど、身分が低い家柄なんだっしゃろ〜か? 本名は伝わってまへんねん。
当時は一夫多妻の時代だしたんで、右大将道綱母はんは藤原兼家はんの第2夫人だしてん。

夫の藤原兼家はんはプレイボーイ!
ある日、道綱母はん、夫が他の女子(おなご)はんに宛てた恋文を発見しはりましてん。
嫉妬と怒りに震えた道綱母はんは、夫が来ても門を開けまへんだしてん。
ほんだら…。
兼家はんは、さっさと、その愛人のとこへ行かはったそ〜な。

その翌朝、「うつろひたる菊(色あせた菊)」に添えて夫に送ったんが、この歌だしたちゅうこっちゃ。
色あせた菊は、愛情があせた事を示してま。

「蜻蛉日記」で道綱母はんは、夫の兼家はんの事を暴露したはりまっけど…。
これを読まはったお人はんは、わかったはるよ〜に、兼家はんは道綱母はんをちゃんと愛したはる。
そやけど、世は一夫多妻だすんで兼家はんを独り占めでけんモヤモヤが…。
世の制度はど〜であれ…。
感情は別!
「この人を自分だけのモノにしたい!!」ちゅう気持ちは、古今東西、紀元前の大昔から変わらんモンでんがな〜。

それと、も〜1つ…。
この制度では、夫から見た妻の存在…、その重みが現在とは全然、違ゃいまんねん。
そやから…。
嫉妬と怒りに震えた道綱母はんが、兼家はんが来ても門を開けへんかったら…。
兼家はんは、「ああそ〜かい。」ちゅうて…、さっさと、その愛人のとこへ行かはったちゅうんは…。
世の常識やったんだすな〜。

そないな世の中のそないな制度で…。
わては、じっと耐えて待つだけの道綱母はんが痛々しゅ〜に思いまっけど…。
道綱母はんは美人で才女でおましたから、「ナンでやねん?!」ちゅう気持ちが強〜て、ここまで苦しみはったんやとも思いまっせ!

しかし…。
一夫多妻ちゅうたら、戯けな男どもは…。
「エエ制度や!」ちゅうて騒ぎよる。
そやけど…。
この制度は、殿方はんにとっては過酷な制度でんねんで〜。

エッ?
「そんな事あるかい!」ってだっか?!

あんさんな〜、複数の女子(おなご)はんを養いまんねんで〜。
それも贅沢させて…。
この制度の掟は、奥方はんらに働かせんと、亭主1馬力で一家を支え、全員の奥方はんに均等に贅沢をさすちゅう事だっせ。

自分の所得だけやったら、一家が生活して行けんのんで…。
奥方はんにも働かしたはる、あんさん!
そないなあんさんは一夫多妻の世になり申したら、今以上に男の規格外やちゅうこっちゃ。
1人の女子(おなご)はんも養えんのんだっからな〜。

一夫多妻の世やったら、そないな輩は一生、1人の奥方はんも持てんちゅうこっちゃ。
女子(おなご)はんは、甲斐性のおます殿方はんがシコタマ持って行かはりまっさかいな〜。

しかしココ日本は一夫一婦制や。
男女のあり方も違ゃいま。

ビートたけしはんが…。
「今度、生まれ変わって来ても家内と結婚したい。そして浮気したい。」ちゅうたはった。

わて、女性軍に怒られまっしゃろ〜けど…。
たけしはんが奥方はんを、ものすご〜愛したはる気持ちがわかり申す。
ものすご〜、奥方はんを信じたはる気持ちがわかり申す。
ものすご〜、奥方はんを大切にしたはる気持ちがわかり申す。
ものすご〜、奥方はんに馴染んだはる気持ちがわかり申す。
ものすご〜、奥方はんと結婚してよかった! ちゅうて思〜たはる気持ちがわかり申す。
ものすご〜、奥方はんに感謝したはる気持ちがわかり申す。
ものすご〜、奥方はんを…。

真にモテる殿方はんって、そ〜ゆ〜モンと違ゃいまっか?!

エッ?
「都合のエエ女や!」ってだっか?!

そこらのオッちゃんが、ケチなカミさんを持って…、ケチな女にケチな浮気をして…。
そないな挙げ句の果ての台詞とは違ゃいまっしゃろ〜?
ビートたけしはんの台詞は。
人生を演じる人間によって、台詞の意味が違ゃうちゅう事を…。
ヘヘヘ、あんさんは知らんとあきまへんのんと違ゃいまっか?!

上林岳承

総合開運研究学会
上林岳承

運命鑑定/プロ養成占い教室
daikando@sd5.so-net.ne.jp


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