契りし女

2010.2.17.UP. 2011.9.29.(タイトルと内容を変えて)更新.

夜をこめて 鳥の空音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ (清少納言)
よをこめて とりのそらねは はかるとも よにあふさかの せきはゆるさじ

訳:夜の明けない内に、鶏の鳴き真似で人を騙したとしても、函谷関ならいざ知らず、この逢坂の関は決して許しますまいよ。

「夜をこめて」は、「夜の明けない内に」の意。

「鳥の空音」は、中国の戦国時代、斉の孟嘗君(もうしょうくん)が秦から逃げる時、函谷関(かんこくかん)ちゅう秦の関所を、鶏の鳴き真似がうまい食客に鳴き真似をさせて、関所を開かせて無事に通過したちゅう「史記」の故事をふまえた語。
函谷関ちゅう関所は、朝の一番鶏が鳴かんと開かん関所だしてん。

「はかる」は、「だます」の意。

「逢坂の関」は、近江国(滋賀県)と山城国(京都府)の境におました関所。
「逢坂」は、男女の契りを意味する「逢う」との掛詞。
「逢坂の関はゆるさじ」は、「あなたと契りを結ぶ事は許すまい」の意。

この歌の作者はんは、あの清少納言(清原元輔の女、深養父の孫。橘則光と結婚、やがて一条天皇の中宮定子の女房として出仕。定子崩御のノチ藤原棟世に嫁がはった、しかしその晩年は不明。『枕草子』の作者。)はんだして…。
この歌は、藤原行成はんに送らはった「社交の歌」でんねん。

エッ?
「恋歌やないの?!」ってだっか?

2人は、単なる友だちだして…。
2人の豊かな漢詩文の教養をバックに、教養をぶつけ合〜て遊んだはったちゅうこっちゃ。

この日も、清少納言はんとこに藤原行成はんが来たはって…。
夜更けに「あしたは帝の物忌で籠らんとあきまへんねん。」ちゅうて、藤原行成はんが帰らはった。
ほんで、その翌朝「昨夜は鶏の鳴き声に急かされ、せっかくの夜が台無しになっても〜た!」ちゅう意味の、まるで後朝のよ〜な手紙を藤原行成はんが清少納言はんに送らはった。
もちろん、それはジョーク!
2人は契ったはったんやおまへんさかい。

そこで清少納言はんは…?!
「何が鶏の鳴き声よ! あんな夜中に鶏が鳴くもんですか! 函谷関じゃあるまいし。あなた、ウソ鳴きして私から逃げたのね!」ちゅうて返事を送らはった。

その言い回しがおもしろ〜て…。
「私が越えたいんは、函谷関やの〜て、逢坂の関なんだっせ。」ちゅう、またまたジョークを藤原行成はんが返さはった。
それに対しての、清少納言はんの返事がこの歌だしたちゅうこっちゃ。

夜を共にしても、ナ〜ンもおまへん男女の友情??
男女がナ〜ンもせん目的で夜を共にする…??
イーモバイル?!
あり得ない!!
わてには理解でけ申さん。

また、この清少納言はん…。
離婚した旦那はんとも、兄妹のよ〜に付き合〜たはる。
これも…。
これこそ…。
わてには理解でけ申さん。

ま〜、そ〜ゆ〜事でんねんけど…。
この歌、本来の意味に戻り申すと…。
殿方はんの愛の告白を拒絶しはった歌…。

男が勇気を振り絞って…。
お目当ての女子(おなご)はんに告白!
しかし…。
無惨にも拒否されてフラれる。

その時の男の気持ち…。
男心のわからん生まれの女子(おなご)はんには…。
一生わかりまへんやろ〜。
だって…。

ある日…。
わてと懇意にしてくれと〜社長はんが…。
会食しながら…。

「岳承さん、わしは歴代の彼女を忘れんと大事にしてる。だって、わしを相手にしてくれた女やで。わしを門前払いでアシラッた女よりも素晴らしい女と思わんか? わしの善さがわかってる女に違いない女やろ? わしを門前払いして受け入れんかった女は、わしの善さがわからんから、わしを袖にしよったんや。」
「ヤラせてもくれんかった女に義理はおまへん。そやのに、その女に泪するなんて笑止なこっちゃ。岳承さんの考えは甘いで。女に騙されるで。」

ちゅうて、わてに自前の恋愛論をぶつけて来はった。
しかしこれ…。
一理おまんな〜。
この社長はんの言わはるよ〜に…。
ホンマに善さがわかってくれとったら…。
彼女になってくれまっしゃろ〜。

わても…。
この社長はんのよ〜に…。
人の評価をシンプルに考えんとあきまへんな〜。

愛を受け入れてくれた女子(おなご)はんは…。
愛を山びこのよ〜に、愛し返してくれて…。
やさしくしてくれて…。
シンプルに考えたら、エエ女子(おなご)はんでんがな〜。

かたや…。
愛を拒否して来はった女子(おなご)はんは…?!

そ〜ゆ〜こっちゃ。

例え…。
拒否の言葉が…。
男にショックを与えんよ〜な内容でおましても…。

そ〜ゆ〜こっちゃ。

言葉ではナンとでも言えまっさかいな〜。
その言葉に惑わされて…。
自分の善さがわかってくれと〜けど…、云々ちゅうて考えるんは…。
それは…。
この社長はんの言わはるよ〜に…。
男の自己満足の世界なんかもしれまへんな〜。

しかしわては…。
愛の告白をして…。
フラれて…。
その女子(おなご)はんが…。
わてにショックを与えんよ〜な言葉で断って来はっても…。
わては、その言葉を信じてまう。
しかし…。
人間的には評価をもろ〜たけど…。
男性としては、残念ながら善さがわかってもらえんかった…、ちゅう事は自覚しと〜つもりだす。

大切な事は、この2つを混同せんと、きっちり区別して考えるこっちゃ。
そないせんと…。
その女子(おなご)はんから離れ切れず、その周りをウロウロしても〜て…。
その女子(おなご)はんに迷惑をかけてまう。

男はフラれ申したら…。
ケジメを示すメモリアルを残して…。
どっかへ行ってまうこっちゃ。

そやけどま〜…。
この社長はんの言わはるよ〜に…。
シンプルに評価し申すと…。

愛を受け入れてくれた女子(おなご)はんは…。
その殿方はんにとって…。
エエ女子(おなご)はんやったちゅうこっちゃ。
そ〜考え申すと…。
この社長はんのよ〜に、歴代の彼女はんに感謝と敬意が持てる。
そ〜ゆ〜こっちゃ。


2011.11.9.追記

この社長はん…。
「岳承はん、ヤラせてもくれん女…。信用でけまっかいな!」ちゅうても言〜たはった。
ほんだら…。
ヤラせてくれた女子(おなご)はんは信用でけるんだっしゃろ〜か?!
こないな疑問も生じまっけど…。

ヤラせてくれた女子(おなご)はんの中には、信用でける女子(おなご)はんがいてまっけど…。
ヤラせてくれなんだ女子(おなご)はんの中には、信用でける女子(おなご)はんなんておらん!!!
そないな意味やそ〜だす。

当時はわて、それは極端な考え方やちゅうて思〜てましてんけど…。
それから、ホンの数ヵ月後に…。
その考えが「正解」や!!! ちゅうて思い知る出来事に遭遇し申した。

この社長はんの理論…。
これは…。
「正解」でんねん。

よくよく考え申したら…。
当たり前すぎるくらい…、当たり前の事だす。
わては相当、お人好しやったちゅうこっちゃ。
人を信じるんも、程がおましたちゅうこっちゃ。
みなはんも気をつけておくんなはれや!

上林岳承

総合開運研究学会
上林岳承

運命鑑定/プロ養成占い教室
daikando@sd5.so-net.ne.jp


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