関西占い物語/『水』の章2

2003.1.31.UP. 2008.7.21.更新. 2014.5.14.更新.

最近はおまへんのやけど、わてが駆出しの頃、わての占いの店の前を聞こえよがしに「どこそこに、よう当たる占い師さんがおってなあ…。」とか「ここも四柱推命かいな。どこそこの四柱推命の占い師さんは日本一やて。」ちゅうて、大声でその御仁のお連れはんに言わはりながら通りはる事がおました。
そやけど、この御仁の話は間違ご〜てまして、「よ〜当たる占い師はん」も「日本一の四柱推命の占い師はん」も、わての師匠の萩森先生だすよってに他には誰もいたはらへんはずだんねん。
ほんで現在、この萩森先生も他界されてまんので、残念ながら「どこそこに、よう当たる占い師さんがおってなあ…。」も「ここも四柱推命かいな。どこそこの四柱推命の占い師さんは日本一やて。」も成立せ〜へん会話でんねん。

エッ?
「そんな事ない。他にもおるはずや!」ってだっか?

ほんだら、その占い師はんをわてんとこへ連れて来ておくんなはれ。
ほんで、わてがその占い師はんに納得したら、このHPのこの部分を書き換えま!!
ヘヘヘ、おれへんはずだっせ!

わてが萩森先生に初めてお会いしたんは、まだわてが高校教諭の頃だして、ふと気紛れに貿易会社を設立しよ〜かな〜? ちゅうて思〜とった頃でんねん。
先生の事務所は、まるで開業医のよ〜にお客はんが多く、それこそ「行列のでける占い師」はんだした。
しかしその日はわてはツイておまして、2時間待ちで看てもらえましてん。
わての前のお客はんは女子中学生2人だして、時期柄、進学の事を聞いたはりましてん。
先生が言わはるには「ちょっと足らんな〜(脳ミソと違ゃいまっせ、入試の点数の事だっせ。)、第1志望は足らんから、第2志望の方にしとき。」ちゅうんだす。
わては「何をエエカゲンな…。そないな事がわかるんかい?!」ちゅうて、恐れ多くも、そない思〜とりました。

皆はんも、そ〜だっしゃろ?!
占いを信じひんモンとか、初めての占い師はんには、それに近い気持ちで接しはるんと違ゃいまっか?
ヘヘヘ、そんなモンだっせ。

ところで先生の鑑定のエエとこは、必ずフォローがおますとこだす。
その中学生はんは進学の件では前述のと〜りでんねんけど、「あんたはね、お金に困らん、ホンマにエエ奥さんになるんよ。」ちゅうて他のエエ運気の事を伝えて明る〜してくれまんのや。
そら行列がでけまっせ!!

それにしてもでんな〜、「木の章」でも書きましたよ〜に、その日わては先生に「教師を辞める。」ちゅうて言われ、実際にそ〜なり、辞めた時期も日にち単位でピッタシカンカンやったんで、これはも〜、先生を、占いを、四柱推命を信じざるを得んやおまへんか。
ほんで、その際に同時に、わてが占い師に向いてるちゅう事も聞いたんだす。
もしこの日の占い師はんが萩森先生やの〜て、他の占い師はんやったら、わては占い師になってへんかったかもしれまへんし、なっても四柱推命の占い師やおまへんかったと思いまんな〜。
わてが四柱推命にこだわっと〜原点は、この日におますんや。

そやけど、わてが現在のよ〜な占い師になるまで、ピンチもおましたんやで〜。
それは阪神大震災の時だして、わての自宅とわての占いの本拠地でおますビルが全壊しても〜たんだす。
しかしわては「待っとたで〜。」ちゅうて、ボロ家を新築したり、占いの方を前からやってみと〜おましたイベント主体にしましたんや。
ナンでイベントがエエんかちゅうと、土地柄ちゅうモンがおまして、土地によってお客はんの悩みが違いまんねん。
そやからイベントで各地を回れば実力がつきまんのや。
占い師ちゅうんはだいたいの専門分野がおまして、「この占い師は〇〇が得意やけど、●●は不得手。」ちゅうこっちゃ。
ところがわては、この震災のお蔭で各地を転々とした結果、多種多様の悩みに対応でけるよ〜になりましてん。
これは不幸中の幸いちゅうモンだっしゃろ〜な〜。

しかしそ〜ゆ〜わてだしてんけど、先生は「上林さんは家を建てなならんから…。」ちゅうてわてに占いをする場所を探してくれはりましてん。
ありがたおますな〜〜〜!
ホンマこれが親心だっせ!!
どこのどなたはんが他人の食い扶持まで心配して、お世話までしてくれまっか?!

わてが教師をクビになった時、わての高校時代のクラブ活動の顧問やった御仁は「上林頑張れよ。」だけだした。
そんなんわかってまんがな!
あんさんに「頑張れよ。」ちゅうて言われんでも頑張りまんがな!
頑張らな一家が日干しになってしまいまんがな!!
そ〜ゆ〜事を思いますと、萩森先生のその親心は、ものすご〜嬉しおました!!!

そやけど世の中、うまいこと行かんモンだして、それがわての最大のピンチにつながって行きましてん。
それはわてのイベントのスケジュールとダブる事でんねん。
さあ大変だす!!
先生のそのお話をあんじょう(うまく)お断りせなあきまへん!

最近の弟子に見られるよ〜な、教えられ慣れした新人類やの〜て、古風なわてだすよってに、カルチャースクールの先生と生徒の関係と師弟の関係とは断じて違ゃうちゅうて思〜と〜わては、約1ヵ月間、お断りの適切な口実を考えに考え抜いたモンだした。
「そこまでせんでも…。」ちゅうて言わはるかもしれまへんけど、わてにプロとしての実力を与えてくれはった師匠に対しての、それはそれは当たり前の事だす。
「教えてくれて当然。」ちゅうて思〜と〜昨今の弟子らとは、わては根本的に違ゃいまんねん!

ほんでお断りの適切な口実の次は、先生が1番、温厚な日と、わてがツイと〜日が一致する日の割出しだす。
「エッ? そんな日がわかるの?!」ってだっか?
当たり前でんがな〜、そないな事がわからんで、お客はんから鑑定料をいただけまっかいな!

萩森先生の事務所そ〜ゆ〜諷に万全を期して向かえた当日、わては先生の1番好きな酒を提げて先生の事務所へ行きましてん。
ほんだら開口一番、わての同期のS川はんが不始末を起こし、それを叱ったちゅう事を先生は話しはりまんねん。
賢明なる読者の皆はん、その時のわての身の縮む思いをわかってもらえまっしゃろ!!
如何に先生の雷が落ちんよ〜にと策を練って行った矢先のカウンターだっさかいに!
クーラーがよ〜効いた部屋だしたんやが、アブラ汗がジト〜と出とりましたで〜。
そやけど、も〜アトへは引けまへん。
「今度は私が先生に叱られる番です。」ちゅうて、かすれた声で切り出しましてん。

エッ?
「関西弁と違うやんか。」ってだっか?

何を言〜てまんねん。
そんな状況やおまへんやん。
真面目に聞いておくんなはれや〜!

ところが結果はわての占いど〜り、先生は非常にゴキゲンな日だしたんで、叱られるどころか「その場所の人には、わしからよ〜言〜て断っといてやる。」ちゅうて言〜てくれはるんだす。
ホンマ夢のよ〜だしたで〜!!
ほんでおまけに、占いの新しいテクもわてに教えてくれはりますんや!
これがまた楽しおまんねんな〜。
弟子が師匠のとこへチョコッと顔を出し、師匠から新しいテクを教えてもらう…、これが弟子の楽しみだっせ!

ま〜こ〜して、占いのピンチを占いで脱したわてでんねんけど、萩森先生が好きやから、こ〜して畏れまんのやと思いまんな〜。
これは『畏敬』ちゅうモンだっしゃろな〜。
最近は自然への畏敬、生命への畏敬がの〜なっても〜たんで、人々は自然を大切にしまへんし、人や生きモンの生命も大切にしまへん。
わては今でも萩森先生が好きやさかい、先生を畏れてま。
その畏れがおまっさかいに敬えるんと違ゃいまっか?

その先生が前章「水の章」でお話ししました『敬主一無敵』ちゅうお言葉の他に、『一意専念』ちゅうお言葉もわてにくれてま。

昔、わてが先生に弟子入りを頼みに行った時、先生が「上林さんも、いよいよ時期が来たな〜。これからは『一意専念』する事やな〜。」ちゅうて言わはって、わての鑑定書にそのお言葉を書いてくれはりました。
実際に、ホンマにわてにとって占い師の時期が来てまんな〜。

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上林岳承

総合開運研究学会
上林岳承

運命鑑定/プロ養成占い教室
gakusyou@gmail.com


プロの四柱推命『関西占い物語』

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